よくあるご質問
- ホーム >
- よくあるご質問
無断欠勤(行方不明)の社員を解雇できるでしょうか?
就業規則に『一定期間無断欠勤が続いた時は自然退職とする』旨の定めがある場合には、労働契約の自然終了(自然退職)として雇用契約を終了することができますが、このような定めが無い場合、解雇によって労働契約を終了させるほかありません。
この場合、相手が行方不明のため、解雇の意思表示を相手側にどのように伝達するかが問題となります。
通常、行方不明の社員を解雇するには、民法97条の2の「公示送達」によって、解雇の意思表示を行わなければなりません。
具体的には、社員の最後の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てを行い、裁判所の掲示板に掲示するほか、掲示したことについて官報および新聞に少なくとも1回掲載し、最後に掲載した日から2週間が経過すれば、社員に会社の解雇の意思表示が到達したものとみなされます。
このような煩わしい手続きを避ける為にも、就業規則に規定しておくことをお勧めいたします。
解雇予告と解雇予告手当とはどのようなものでしょうか?
労働基準法第20条には、会社が従業員を解雇しようとする場合は30日前に予告するか、これに代えて、30日分以上の平均賃金を支払わなければならないとしています。この30日分以上の平均賃金のことを解雇予告手当といいます。(この解雇予告期間の30日とは暦日で計算します。したがって、その間に休日や会社休業日があっても延長する必要はありません。)
また、この解雇予告と解雇予告手当は併用することができます。
例えば、解雇の日10日前に予告して20日分以上の解雇予告手当を支払う場合や、極端な話、解雇の日1日前に予告して29日分以上の解雇予告手当を支払うことでも良いことになります。
なお、解雇予告手当は、原則として解雇の申渡しと同時に支払わなければならないとされています。(昭23.3.17基発464号)
この解雇予告には例外があります。次の場合には解雇予告や解雇予告手当が必要ありません。
・天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合に、所轄労働基準監督署長の認定を受けたとき
・労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合に、所轄労働基準監督署長の認定を受けたとき
また、以下のように一定の条件で雇用される者には、最初から解雇予告は適用されません。
ア.日々雇い入れられる者
ただし、この者が、1ヶ月を超えて引き続き使用される場合は、原則どおり解雇予告が必要です。
イ.2ヶ月以内の期間を定めて使用される者
ただし、この者が、所定の期間を超えて引き続き使用される場合は、原則どおり解雇予告が必要です。
ウ.季節的業務に4ヶ月以内の期間を定めて使用される者
ただし、この者が、所定の期間を超えて引き続き使用される場合は、原則どおり解雇予告が必要です。
エ.試みの使用期間中の者
ただし、この者が、14日を超えて引き続き使用される場合は、原則通り解雇予告が必要です。
試用期間中の労働者を解雇する場合は、会社が就業規則で定める試用期間の長さにかかわらず、14日を超えてしまうと解雇予告等が必要になります。試用期間中の解雇であれば解雇予告や解雇予告手当は不要というのは間違った認識です。
試用期間の長さは自由でしょうか?
「試用期間」は、正式にその会社の社員として本採用する前のいわゆるテスト期間であり、その期間中の従業員としての地位は、正社員と比べてきわめて不安定なものであると言えます。
したがって、試用期間を定める場合は、必ず期間を定めなければなりません。
例えば、期間の定めのない例として、「会社が当社社員としてふさわしいと認めたときに本採用とする」というような規定は、無効とされます。
ただし、試用期間の長さについては、法令上は制限されていません。
しかし、先にも述べましたとおり、試用期間は従業員としての地位の不安定な期間ですから、あまりにも長期間の試用期間を定めることは、公序良俗違反として無効となります。
一般的には3ヶ月〜6ヶ月、最高でも1年までと解すべきでしょう。
早朝や深夜の出張のための移動は時間外労働となるでしょうか?
原則として、出張先に向かう移動時間は通勤時間と同様で、労働時間とはいえないこととなります。つまり、出張先で法定労働時間を超えて『働け』ば、時間外労働として割増賃金が発生します。しかしながら、早朝や深夜であっても『移動』時間であれば時間外労働には当たらず、割増賃金も発生しないということになります。
同様に、休日明け朝一番に地方で仕事があるため、前日の夜に現地入りしたとしても、休日の『移動』時間は労働時間にはなりません。
(参考通達)
「出張中の休日はその日に旅行する等の場合であっても、旅行中における物品の監視等別段の指示がある場合の外は休日労働として取り扱わなくても差し支えない」(厚生労働省:昭23.3.17基発461号)
前払い退職金のメリットとデメリットはどのようなものがあるでしょうか?
前払い退職金の企業におけるメリットは、給与や賞与に上乗せして支払うため従業員の退職時に多額の資金を必要としないこと、成果主義を反映しやすいことなどが挙げられます。
従業員のメリットは、企業の将来における倒産リスクを考慮せず確実に受け取ることができること、退職金相当額を給与や賞与で受け取れるため自己のライフスタイルに合わせた資金の使い道ができることなどが挙げられます。
一方、前払い退職金の企業におけるデメリットは、給与・賞与に上乗せして支給するため、その分の資金が絶対に必要であること、従業員の企業に対する帰属意識がなくなる可能性があることなどが挙げられます。
従業員におけるデメリットは、前払い退職金といっても給与・賞与として受け取ることから、税制上優遇されている退職所得とならず給与所得となってしまうこと、慣れてくると前払い退職金として認識せず、給与・賞与の増加分として認識してしまうことなどが挙げられます。
また、企業・従業員における共通のデメリットは、社会保険料負担が増加してしまうことが挙げられます。
以上のように、前払い退職金はメリット・デメリットの両側面をもっています。
メリット・デメリットを十分考慮した上で前払い退職金制度導入の可否を検討する必要があります。
最低賃金とはどのようなものでしょうか?
「最低賃金制度」とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定めたものであり、使用者はその最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとされています。
使用者が最低賃金より低い賃金条件を定めたとしても、それは無効となり、最低賃金額と支払った額との差額を労働者に支払わなければなりません。
現在、最低賃金の種類には「地域別最低賃金」、「産業別最低賃金」、「労働協約の拡張適用による地域的最低賃金」の3種類があります。
「地域別最低賃金」とは、産業や業種に関係なく、すべての労働者とその使用者に対して適用され、47都道府県に1つずつ定められています。
「産業別最低賃金」とは、特定の産業について、関係労使が基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認められるものについて設定されており、現在、249の最低賃金が設定されています。
「労働協約の拡張適用による地域的最低賃金」とは、一定の地域の同種の労働者および使用者の大部分に賃金の最低額を定めた労働協約が適用されている場合、労使のどちらか一方の申請に基づいてその賃金の最低額がその地域のすべての労働者に拡張して適用される制度で、現在2つの最低賃金が設定されています。
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金に限られます。具体的には、基本給と諸手当(精皆勤手当、通勤手当、家族手当などを除く)が対象です。
なお、最低賃金から除外される賃金には、臨時に支払われる賃金、賞与、時間外割増賃金などがあります。
労働者には地域別最低賃金か産業別最低賃金が適用されますが、労働能力等が異なるため、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭める可能性がある労働者(精神または身体の障害により著しく労働能力の低い方、試用期間中の方、認定職業訓練を受けている方、所定労働時間が特に短い方など)については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に適用除外が認められています。
支給日前に退職する社員への賞与支給はするべきものでしょうか?
就業規則等により、賞与支給日に在籍していることを賞与の支給条件として規定している場合には、賞与を支給しないことが可能です。
これは一般に「支給日在籍要件」と呼ばれるもので、過去の判例でも、賞与は支給日に在籍した者にのみ支給する旨定めた就業規則を有効と認めています。(昭60.11.28最高裁判決:大和銀行事件)
また、この「支給日在籍要件」は就業規則、労働協約、労働契約等に定める場合の他、労使による慣行であっても認められるとされています。
過去の判例でも、「賞与の受給権の取得につき当該支給日に在籍することを要件とする慣行は、その内容において不合理なものと言うことはできない」と判断しています。(昭60.11.28最高裁判決:京都新聞社事件)
したがって、賞与支給日に在籍していることを支給条件とすることが就業規則、労働協約、労働契約等に規定されているか、または、そのような労使慣行がある場合には、たとえ算定対象期間の全てに勤務した社員であっても、賞与の支給日より前に退職する者には賞与を支給しないことが認められると考えられます。
普段の手続き業務は社内で出来ていますので、相談業務だけをお願いできますか?
もちろん喜んでお引き受けいたします。役所に聞きにくいことはたくさんあると思います。気軽に相談できる相手がいることは、とても心強いはずです。
小さい会社でもお願いできますか?
当事務所の主な取引先は、中小零細企業です。人数、規模は問題ありません。事業主の皆さんが時間と経費をムダに使わないようにお手伝いをしています。人を雇う負担の軽減、事業主自らの経営資源の有効活用に貢献できれば幸いです。
どの地域まででしたら、お願いできますか?
千葉県、東京都、埼玉県、茨城県をサービスエリアとしています。ただし、メールや電話での対応の場合は、地域を限定せずお引き受けさせていただきます。
単発のお仕事でもお願いできますか?
もちろん、喜んでお引き受けいたします。いつでもご連絡くさい。
必要な時は、専門家のご紹介をしていただけますか?
ご要望に応じて、お客様のニーズに合う専門家を紹介いたします。
従業員とのトラブルで困っています。依頼の前に相談に伺いたいのですが可能ですか?
もちろん可能です。
従業員とのトラブルに関しましては、時間を争うような問題です。ひとつひとつの言動が、その後に大きく響いていまいます。素人判断で対処してしまい、その後問題が大きくなってしまいこちらの対応が思うようにいかないというケースも多いのです。(その場合も、できる限りのことは対応させていただきます)
トラブルにまで発展していないが「なりそう」という状態でも、お早めにご相談いただいた方が良いと思います。労使トラブルは、何よりも予防すること、そして起きてしまった場合は早めの対応が何よりも大切なのです。
就業規則が必要になるのは、どのような場合でしょうか?
常時10人以上の労働者を使用している使用者は、労働者の労働条件等を定めた就業規則を作成しなければなりません。労働者の労働条件を画一、公平にし、企業秩序を維持するためにも、決められたルールに沿った労務管理が必要です。
フレックスタイム制の導入を考えています。どのような制限がありますか?
フレックスタイム制はどの事業所でも導入できますが、導入には下記の条件を満たすことが必要です。
○ 就業規則で始業及び終業の時刻の両方を労働者の決定にゆだねる旨を定めること
○ 労使協定で?対象となる労働者の範囲、?清算期間(1ヶ月以内)とその起算日、?清算期間中の労働時間(平均して1週間の労働時間が週法定労働時間以下となるように定めること)、?標準となる1日の労働時間の長さ、?コアタイム、フレキシブルタイムを定める場合はその時間帯の開始及び終了時刻、について協定すること
アルバイトでも社会保険や雇用保険に加入できるのでしょうか?
一定の要件を満たせば、加入することができます。
1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ1年以上の就業が見込まれる場合は雇用保険の加入対象になります。1週間の所定労働時間が30時間以上の場合は一般被保険者として加入することができます。社会保険についても、事業所の就業時間の4分の3以上勤務し、常時雇用関係が認められる人は加入対象となります。